「……ハァ。もういい」
「えっ……」
大きなため息をついた水沢くんは、急に私に顔を近づけてくる。
顔と顔の距離が、わずか数センチ。
思わず声が出てしまった。
な、な、なにこの状況。
しかも壁ドンされてる……いや、この場合はドアドン?
でも最近はあまり流行ってないような。
……いやいやそれは今考えることじゃなくて。
なんでこんな近くに。
こ、ここから水沢くんがなにかしてくるってこと……?
もう私の頭の中はプチパニック状態だ。
こうやって顔を近づけて私を動揺させて、こちょこちょ攻撃とか。
なんて、とても幼稚なことしか思い浮かばなくてなってしまった。
……でも、なにをされても今回は私は負けないんだから。
この機会に、私だって負けてばかりじゃないってことを水沢くんに見せてーー……
「バーーーーーーカ」


