「それでは、飲み物をお持ちしますので少々お待ちください」
ーーパタンッ
水沢くんの部屋に到着し、橘さんは私たち3人を残して行ってしまった。
「星華もちょっとお手洗い行ってこよっと」
すると、すぐに星華ちゃんも部屋を出て行ってしまい、部屋には私と水沢くんのふたりきりになる。
な、なんか今ふたりきりって気まずい……。
『素直な気持ちを、佳人様に伝えてみてください』
橘さんの、その言葉が脳内で再生される。
いや、でも急に話し出すのもなんか変な気がするし。
でもでも、ふたりきりの今しか言う機会はない気もする……。
い、一体どうすればいいのだろうか。
「ーーさっき橘と、なにコソコソ話してたの?」
先に口を開いたのは、水沢くんだった。
少しだけ、不機嫌さを含んだような声。


