キミの主導権、僕のもの





油断していた汪爾くんからバッと離れて、私はその場を無理やり終わらせた。




そして私はサアヤちゃんを引き連れ、3年の教室までへと走ったのであった。






……というわけなんですが。




「み、水沢くん……そろそろ機嫌なおしてはくれないでしょうか」



「じゃあ僕とキミを同じクラスにして」




そんな無茶な。




明らかに無理なお願いをされて、私は困り果てる。




「わ……っ!」




どうしよう、と悩んでいるとグッととなりから腕が伸びてきて、ぎゅうっと水沢くんが私の体を抱きしめる形になった。




「み、水沢くん……!?」




付きあって結構月日はたつけど、やっぱりこーいうのは慣れない。




近くなった距離に顔が赤くなるのが分かった。




だけど、水沢くんはそんなのおかまいなしにさらに腕に力を込める。