キミの主導権、僕のもの





ど、どういうこと……?




わけが分からなくて水沢くんに視線を向ける。




「もう少しつくなら、まともな嘘つきなよね」




ハァ、とため息をつきながら水沢くんは星香ちゃんを見る。




う、うそ……?




「僕と星香は、従妹だよ」



「い、いとこ……」




なるほど。




“従妹”だったら、下の名前で呼んだり仲がいいのは当たり前だよね。




「え〜〜ちっちゃいころは星香と結婚するって言ってたのに」



「そうだったっけ」




でも、なんでだろう。




ふたりが従妹って分かって、だから仲がいいのも当たり前って分かった。




なのに。




いまだに水沢くんの腕に抱きついて、仲良さげに昔話をする星香ちゃんをみていると……さっきよりも、モヤモヤするのは。




なんでなんだろう。




そんなにくっつく必要、ないんじゃないのかな。