キミの主導権、僕のもの




「はじめまして、あたしは折原星香。星香って呼んでいいよ」




ようやく目が合うと、星香ちゃんはニコッと笑い手を差し出してきた。




「あ、私は……」



自分も手を差し出し、星香ちゃんと握手をする。




私も星香ちゃんと同じように名乗ろうとした時、星香ちゃんが私よりも先に口を開いた。





「野上 柚子、でしょ。知ってるよ、佳人と同じ学校で……佳人のカノジョ、でしょ?」



「え、あ、はい……」




なんだろう。




かわいらしい笑顔を向けられているのに、あまり歓迎されてないようなこの感じ。




というか、星香ちゃんは水沢くんとどういう関係なのか……。




「星香、そのへんにしておきなよ。星香の威力に圧倒されてる」




と、そこで水沢くんが間に入る。




「だって、佳人のカノジョはやく見たかったんだもーん」



「はいはい」