キミの主導権、僕のもの





するとわざとらしく『うらやましいな』という言葉が水沢くんから発せられる。




ヒィィ……!!




冷や汗がハンパない。




『うらやましいだろ? まぁオレたち、同じクラスだからさ』




汪爾くんの言葉で、水沢くんのイライラメーターがMAXに達したのがすぐ分かった。




ヒュオォォォ……って冷たい風が流れる音がする……。




『“同じクラス”ねぇ。……ほんと残念だよ、野上さんとクラス別れちゃって』



『う、うううん……! わたしもざ、残念……!』




めっっちゃくちゃこわい!!




水沢くん、笑顔なのに怒りマークが5個くらいついてるし……!!




サアヤちゃんは『なにしてんの?』みたいな顔でこっち見てるし、汪爾くんは知らん顔で挑発的な態度で接する。




新学期早々なにこの状況……。




はやくこの場から立ち去りたいと思っていると、ナイスタイミングで予鈴が鳴った。




『あ、あーっ! 予鈴だ! サアヤちゃん、はやく行かないと! ねっ!?』



『え? ちょ、柚子……!?』