そして写真の裏に書いてある文字が視界に入る。
『佳人 5歳』
佳人、5歳……ん?
佳人って……え??
「も、もしかしてその女の子って……水沢くん?」
「……」
「あはは、すごくかわいいだろう。七五三の時、似合うだろうと思って着せてみたんだ」
私の言葉に対してお父さんをにらみつける水沢くんと、そんなの気にせずにその時のことを笑顔で語るお父さん。
なんだろう。
水沢くんとお父さん、性格とかはあまり似てないと思っていたけど……。
「父さん。その写真、僕に返して」
「これは野上さんにあげたから、もう野上さんのものだよ」
確実に、水沢くんはお父さんの血を受け継いでいる。
そう、確信した水沢くんのお父さんとの出会いだった。