い、今すっごく大きな舌打ちされた……!
「も、もう本当になんでもないのでこれ以上は追及しないでくださいっ」
「ムリ」
水沢くんが一歩も譲ってくれないから、もうこれは素直に言うしかないと、思ったときだった。
「野上さん、これあげるよ。今日来てくれたお礼に」
「へ?」
すると急にお父さんから1枚の写真を渡される。
思わずそれを受け取り、視線を移すとそこにはなんともかわいらしい、ピンク色のドレスをきた女の子がむすっとしながら映っていた。
「か、かわいい……」
ポロリと素直な感想が口から出る。
誰だろう、このかわいい女の子は。
紙にはドレスと同じ色のリボンのついたカチューシャをつけていて、まるでお姫様みたいだ。
ただ、むすっとしてるのが残念だけど。
でもそれでも十分かわいかった。
「ちょっと父さん。まさか……」
水沢くんはしまった、とでも言うような顔をすると私の持っている写真を取り上げようとする。
だけど水沢くんの手に渡る前に、お父さんが私の手からするりと写真を抜き取ってしまった。