キミの主導権、僕のもの





「召使いかぁ、それは親友みたいな感じかい?」



「うん。そう」




ほら、やっぱりそう思って……っえ?




一瞬そう思ったけど、実際に水沢くんのお父さんの口からでた言葉はまったく違った。




それで私はさらに混乱してしまう。




え、"召使い"って聞いて、"親友"ってなる、かな……?




というか、水沢くんはお父さんの発言に驚かないのかな。




さっきだって、ふつうに「うん」って返してたし……。




ますますわけが分からなくなっていると、水沢くんが耳元でひっそりと言った。




「父さん、天然だから」



「……」




……天然、テンネン、てんねん。




聞き間違いかとも思ったけど、そうではないらしい。




確かに水沢くんは「天然だから」と言った。




「前に会社で父さんの社長の座とか狙ってるヤツいたけど、父さんの天然ぶりになにしても通用しなくて諦めて辞めた人いたしね」




そ、そうなんだ。




たしかにこんなに天然で、あのやさしい笑顔を見せられたらあきらめてしまうかもしれない。