キミの主導権、僕のもの





と、とうとう水沢くんのお父さんとご対面の時間が。




どうか。




どうか、無事に今日が終わりますように。





「父さん、お待たせ」




もうここまで来たら神だのみしかすることができず。




そして水沢くんがドアをあける。




中へ促されると、ソファに座っていた男性が「ああ、いらっしゃい」と言いながらニコリとほほえむ。




……い、イケメンだ。




そして水沢くんに似ている。




一目見て、水沢くんのお父さんだと分かった。




水沢くんのお父さんもお母さんも、どうしてこう美形ぞろいなの……!




キラキラフィルターでもついているのではないか、と勘違いしそうになるくらいに水沢くんのお父さんはかっこよくて。




「は、はじめまして! お邪魔します!」




あいさつをするのにワンテンポ遅れてしまった。