キミの主導権、僕のもの





スーハーと深呼吸をして気持ちを落ち着かせようとするけど、



『じゃあ明日、13時に。迎えは橘がいくから』



『ちょ、ちょっと待って水沢くん! まだ私、状況が理解できないというか、なんとういうか……』



『母さんとはもう何回も会ってるんだし、そんな緊張することもないでしょ』




水沢くんは話を進めていき、しかも簡単に緊張することない、と言ってくる。




いやいやいや。




確かに水沢くんのお母さんには何回か会っている。




でも、今回はお父さん。




そ、そんなただの彼女の私が水沢くんのお、お父さんに会うなんて……。




どうしよう。




笑顔で「キミは息子に不釣り合いだね」とか言われたら。




私、一生立ち直れない。




『水沢くん、私、会うの怖いです……』




そんなことを考えているとついそう口にしてしまい。