キミの主導権、僕のもの





少し前、汪爾くんに告白された。




だけど私は汪爾くんのことは友だちとしてしか見れなくて断ったけど、今では仲のいい男友達だ。




いつも強引でイジワルな汪爾くんだけど、根は優しいって知ってるから。




『……』



『汪爾くん?』




私の言葉になにも言わない汪爾くんを不思議に思い、顔をのぞき込む。




どうしたんだろう?




『あー、ユズコってタチ悪ぃな。そーゆーとこも好きだけど』



『へっ!?』



『言っとくけど俺、隙があったら奪いに行くからな。今は友だちでガマンするけど』



『ちょ、お、汪爾くん……!』




となりにサアヤちゃんもいるのに!




聞こえたりしたらどうする……。




『おはよう。野上さん、松田さん。ああ……獅童くんもいたんだ』




なんて思っていると聞こえてきた爽やかな声。





こ、この声は……。





やばい、と思ってうしろを振り返ると時はすでに遅し。





そこには、キラッキラの笑顔を浮かべながら目は笑っていない水沢くんの姿があった。