「み、水沢くん……」
ぎゅうっと抱きしめられているから、自然とくぐもった声になる。
「なに」
すると、バツの悪そうな、そんな声が頭の上から聞こえてきて。
「水沢くんの心臓、ものすごくドキドキいって……」
「キミ、それ以上いったら抱きつぶすからね」
「……」
そう言った水沢くんの口調はとても速くて。
なんだろう。
こわいこと言ってるのに、全然こわくない。
表情が見えないからなにを考えているのか分からない、って思ってたけど……。
今なら、わかる気がする。
ドキドキと、はやいスピードで音をたてる水沢くんの心臓。
私はその音をききながら、水沢くんの背中に手を回した。


