キミの主導権、僕のもの





リモコンに手を伸ばそうとした、そのときだった。




「もう寝ようか。疲れたでしょ」



「え?」




その言葉に伸ばしかけてた手が止まる。




た、たしかに今日はたくさん歩いたから疲れてないって言ったらウソになるけど……。




なんていったらいいのか。




まだ、寝たくないっていう気持ちがある。




水沢くんとお話とかしたいのに。




でもそれを言っても断られてしまうような気がして、口にすることができなかった。




水沢くんの言葉に「そうだね」と返す。




そして、当たり前だけどお互い別々のベッドに寝て。




真っ暗の部屋のなか、すこしだけ目が慣れてきて私は天井を見上げた。