キミの主導権、僕のもの





『やった! あたしたち水沢くんと同じクラスだよ! 高校生最後のクラス替えで水沢くんとおなじとかついてるっ!』



『毎日近くで水沢くんのこと見れるとか幸せ〜!』





……う。




やっぱり、不安かもしれない。




いくら付き合ってるとはいえ、相手は学園の王子様的存在だし。




しかも、周りの人は私たちが付き合ってることは知らないし。




水沢くんの周りには常に女子がいっぱいいるわけだから、もしナイスバディな女の子に迫られたりしたら……!





――ガバッ!




『わっ……!!』



『よっ、ユズコ! また同じクラスだから、よろしくな』



『お、おお汪爾くん……!』




最悪な事態を想像していると、急に肩に重みが走って私は想像するのをやめた。




となりにはいつの間にか汪爾くんがいて、私の肩に腕を回している。




というか汪爾くん今、“同じクラス”って言った……?




『汪爾くんと私、おなじクラスなの?』



『そ。なに、うれしくて泣きそう?』



『いや、泣きそうっていうか……友だちと同じクラスなのは、素直にうれしいなって思って』