キミの主導権、僕のもの




カードキーをかざすと水沢くんはドアをあけて、私にはいるように促す。




ど、どどどどうしよう。




緊張しながらも部屋にはいると、白を基調とした作りで、シングルベッドがふたつあった。




部屋はきれいに整えてあって、それが余計に緊張させる。




というかほ、本当に泊まるの?




いまだに状況が把握できていなくて、ドアの前から動けない。




「とりあえず、座ったら?」



「は、はい」




水沢くんの座っている向かいのイスに座るように促されると、ビクッと体が跳ね上がる。




思わず敬語に。




私、緊張しすぎだよ。




いやでも、今日はこのホテルに泊まるってことは、水沢くんとふたりっきりなわけだし。




はじめての外のデートで、まさかお泊まりになるなんて思ってもなかった。




これは緊張するのも無理ない。