ものの数分で電話をきった水沢くんは、「行くよ」と私の手をとった。
「い、行くって。み、水沢くん……っ」
「なに?」
「私も泊まるの……?」
「当然でしょ。キミ残して僕だけ泊まるわけないじゃん」
なに言ってるの、とでも言いたげな顔をして平然と答える。
たしかにこれは帰るのは不可能だと思うけど……っ。
でもそれよりも今は「部屋はひとつ」って言っていたことのほうが……!
そうこう考えているうちに水沢くんに引かれ、歩いて5分ほどでホテルへと到着してしまった。
「水沢様ですね。お電話でうかがっております。お部屋は2017号室になります」
フロントでチェックインをあっさりと済まし、部屋のカードキーを受け取る水沢くんに私はただついていくことしかできなくて。
エレベーターで7階までいき、すぐに2017号室についてしまった。


