「キミ、僕のこと振りまわせるのかな~とか考えてたでしょ」
「な……」
な、なぜそれを。
エスパーですか。
いつのまにそんなワザを習得して……。
目を丸くすると、スッと水沢くんの顔が近づいてきて。
も、もしかしてまたキス……!?
また周りの人に見られるわけにはいかない!
そう思い、バッと口元を手で覆う。
てっきりキスをされると思っていたが、水沢くんの唇は私の唇ではなく耳元のほうへと近づいた。
「キミの考えてることくらい、わかるよ」
「っ……」
耳元で話しているから、水沢くんの声がよく響く。
というか私、てっきりキスされると思って口を覆ったけど……。
「なに? キスされると思ったの?」
「そ、それは……っ」
そりゃあ、さっきされたらまた、とか考えちゃうよ!
「期待に応えてあげられなくて申し訳ないけど、さすがに何回もしないから」
「~~っ」