キミの主導権、僕のもの





そのうれしい気持ちが、どうやら放出されてたらしい。




は、恥ずかしい。




「でも、」



「……?」




水沢くんがなにかを言いかける。




水沢くんを見つめると、フッと笑みを浮かべて。




「僕のことほったらかしてるのは、許せないかな」



「……っ」




クイッと軽く手を引かれると、すこしだけ触れる唇。




ちゅ、と小さなリップ音とともにお互いの唇は離れた。





……な、なななにをっ。




思わず唇を手で押さえると、水沢くんはベーッといたずらっこみたいに舌を出して。




してやったり、みたいな顔をしている。




し、してやられました。




ていうかここ、水族館……!!




周りを見れば、数人と目が合って。




その人たちは見てしまった、みたいな顔をしている。




やっぱり見られてた……!