「あ、あの水沢く……」
ち、近い。
ものすごく近い。
しかも、私から目をそらすことなくまじまじと見つめている。
顔になにかついてる……?
「いつもと雰囲気、ちがうね」
「え……、あ、たぶん、メイクをいつもよりしてるのと、髪巻いたりしてるから、かな」
「ふうん」
……や、やっぱり気合いいれすぎた?
デートで浮かれすぎたのかもしれない。
リップだけでも落としておくべきだったかな、と恥ずかしくなる。
「かわいいよ、すごく。本当、抱き潰したいくらい」
「ですよね、やっぱり気合いいれすぎた……ん?!」
うんうん、とうなずこうとすると水沢くんの言葉が引っかかる。
い、今なんて……?
「かわいいって言ってるの。何回も言わせないでくれる?」
「……だ、だだだって。絶対『やりすぎ』とか言われるかと」
自分で思うくらいだし。
なんて言うと水沢くんは「ハァ?」と言いながら私の手を握る。
そ、そんなサラリと……!


