キミの主導権、僕のもの





ーーピコピコッ




駅に着いて水沢くんに着いたことをメッセージで伝えると、すぐに返信がくる。




『時計台の下にいるよ』




時計台……時計台……。




はじめて降りる駅だから、あたりをキョロキョロと見渡しながらその時計台を見つける。




「ねぇねぇ、あの人かっこよくない?」




すると、そんな声が聞こえてくる。




女の子ふたり組がヒソヒソと話している方向をみると、そこには時計台があって。




時計台の下には水沢くんの姿があった。




太陽の光に照らされたミルクティー色の髪がキラキラときれいに反射している。




太陽の光までも味方につけた……。




「ほんとだ! めっちゃタイプ……。こ、声かけてみる?」



「え〜、あんなかっこいんだから彼女いるってば。でも本当かっこいいね〜」




うっ。




ど、どうしよう。




水沢くんがかっこいいと褒められて、とてもうれしいんだけど。




私にかかるプレッシャーが……。