「もう水沢くんっ! 今後ああいうことはダメだよ!? 隠すのすっごく大変だったんだから!」
水沢くんにキスマークというものを付けられて翌日。
放課後、水沢くんの家に来るのがほぼ日課になっているこの頃。
私はキスマークのことを水沢くんに注意をした。
ネットで隠し方調べて、ファンデーションで誤魔化すの大変だったんだから!
「“ああいうこと”ってなに?」
にも関わらず、私の苦労なんて知らないみたいな顔をして淡々とそんなことを言う水沢くん。
わ、悪いと思ってない……っ!
「あ、ああいうことっていうのは、その……き、キスマーク、のことで……」
「ん? なに?」
「〜〜っ」
“キスマーク”っていうの恥ずかしいから声ちっちゃくしてるのに、わざと聞こえないフリして……っ。
水沢くんはやっぱりイジワルだ。
いや、イジワルなんてものじゃ足りない。
大イジワルだ。