「あ、あああの……水沢くんっ」
「ん?」
一瞬こちらに顔を向けたかと思えば、また首筋に顔を埋める。
いや、『ん?』じゃなくて……っ。
「く、首っ……くすぐったい……っ」
なんと言いますか、じっとしてられないというかなんていうか……。
それに恥ずかしいしっ。
「水沢くん、離れて…っ」
「ヤダ。そもそも、僕の名前呼ばないキミが悪いんでしょ」
「そ、それはそうかもしれないけど……ひゃあっ! ちょ、水沢く……なにしてっ」
完全に私の言うことなんておかまいなしの水沢くん。
そんな彼のくちびるが、私の首筋に吸い付く。
え? え……っ?
わけがわからずただ動揺するしかできなくて。
な、なにが起きてるのっ?
なんか首が少し痛いし、水沢くんは一体なにを……。
数秒間そんな風に考えていると、水沢くんが満足げに顔を上げた。
「うん。今日はこれで許してようかな」
ペロリと自分のくちびるを舐めてそう言う。
その仕草が妙にかっこよくて……って。