キミの主導権、僕のもの





ムス〜っと、すねた子どものような顔をする水沢くん。




そ、そんなことを言われても……。




「汪爾くんのことは中学の頃から下の名前で呼んでたし……」




今さら「獅童くん」て呼ぶのも呼びづらい。




「だったら僕のことも名前で呼んでよ。そしたら許してあげる」



「えぇっ!?」




そ、そそそそれって……その。




水沢くんのことを、け、けけけけ……佳人、くんって呼ぶってこと……?




「む、むむ無理っ! 絶対無理!」



「なんで? 僕はその“友だち”以下ってこと?」



「そ、そうじゃなくて……っ! だ、だって今まで“水沢くん”って呼んでたのにそんないきなり名前呼びだなんてっ」




学校爆発の前に私の心臓が爆発する……!!




「1回でいいから。……ね?」



「ひっ……!」




耳元で囁かれて、体がビクッと反応する。




水沢くん、この状況たのしんでる……!!