「クリーニング代払えよ。」


「いくら…?」



「3万。」


「高っ!」


高校生にその値段はきつい。


「そんな高いわけないじゃん。
嘘はついちゃダメだよ?」



「じゃ、命代とでも思えば?
3万は安いだろ。」



「っ、無理だし、お金で解決なんてずるいよっ!」



「じゃあパシリでいいじゃん。」


そう言ってニヤリと笑う七瀬君。


「くっ…わかったわよっ!
あんたのパシリになればいいんでしょ?

でもあんたの思い通りにはさせないんだからっ!」



…言ってしまった。勢いで言ってしまった。



「じゃ、よろしくね。
よし、赤外線っと。」


勝手に私のケータイを取り上げて赤外線で勝手に番号交換。



「俺が呼んだらすぐ来いよ?」



…マジありえないから。
私がこいつの言いなりなんてありえないからっ!


「返事しないならおしおきだけど?」



ニッコリ笑顔の七瀬君。



「…っ、は、はい…」



この笑顔を見て私は悟った。
こいつに逆らったら殺される、と。


王子様は性悪王子でした。