「あ、あった!」


「やっぱり、やよは受かってたね」


「ありがとう!」


あ・・・良かった。


ほんとに良かった。


「うぅ・・・わぁわぁーーーんっっ」


「え?!ちょっ、純菜どうしたの?」


突然、純菜が泣き出した。


「無かったの・・・。あたしの番号、無かったの」


「え・・・うそ。」


「ほんとよ。582番、無かったの」


「・・・」


あたしと希美は、返す言葉も無く・・・


ただただ、寄り添っていた。


「お母さんになって言えばいいの?!」


純菜は、行き場のない気持ちで


いっぱいいっぱいになっていた。


「一緒に、言いに行くよ?純菜が良ければ」


「え・・・ほんとに?」


「もちろんっ」


これが、あたしがしてあげられる


唯一の事だった。


「あ、ありがとー・・・」


泣きながらお礼を言う、純菜の姿に


なんだか、とても切なくなった。


「希美、なんか用事あったら

帰ってていいよ。」


「え・・・でも。」


「大丈夫、あたしが、どうにかする。」


「やよ・・・。ありがとう!」


「ううん」


「純菜も、ごめんね」


「ううん」


あたしが、勝手に言い出した事だ。


希美を巻き込むわけには、いかなかった。