「あ、賑わってるね。」


「だね。」


「はやく行こっか?」


「うん!」


希美が差し出す右手に


あたしの手が重なり


あたしが差し出す右手に


純菜の手が重なり


3人で、走り出した。





4月だと言うのに


凍えるような寒さの中、


自分の受験番号を


必死な気持ちで、探し出す。


「272・・・272・・・」


隣で呟く、純菜。


「あ、あった!やった!!」


希美の喜ぶ声に、ますます不安に晒される。


「嘘?!希美、おめでとう!」


「やったね!希美。」


「うん、ありがとう。ありがとう。」


「やよ?きっと受かってるから。」


希美の、純粋な一言に


すごく安心した。


そのとき