でも、だからこそ余計辛い。



夏が始まりだした今日も彼は、私に彼女のことを話す。



「それでな、さくらのヤツいっつも俺のベッド入ってくんだ。
由梨はどう思う? 最近暑くてさ」



七瀬くんは、私のことを名前で呼ぶ。



ほかの女子は名字呼びだから、名前呼びされてる私は期待した。



……彼女のことを聞くまでは。



もう、一気に期待なんて崩れさった。