家に着いて、熱があるとわかると
圭ちゃんは私の頭を優しく撫でながら、困ったように体温計を見た。
ごめんね、すごく。
だって圭ちゃんは、ただでさえ
私の面倒を見なくちゃいけなくて、精一杯なのに
熱なんて出しちゃったら、きっと呆れちゃうね。
課題だってある。
圭ちゃんは賢いから、いつもすぐに終わらせちゃうのに
きっと私が邪魔だから、あまり手をつけられないね。
私、圭ちゃんに迷惑かけてばかり。
「唯、薬どこにある?」
お兄ちゃんみたいに、なんでもしっかりできて
いつも優しくしてくれて
でも、同級生で、家族じゃなくて。
私たちの関係はすごく中間。


