小南 唯side>>





ガラガラ…!!ガタタッ…!





「…!!」




保健室のドアが勢いよく開いて、目が覚めた。




「唯!大丈夫?」




ああ、圭ちゃん…




自然と顔がほころぶ。




こんなに走ってきてくれた。

息を切らせて。





「どうしたの?しんどい?」




違うの、圭ちゃん。



私、気づいたんだよ。



圭ちゃんが私のおでこに手を当てる。


安心する、圭ちゃんの手。




「どうして倒れたのかわかる?


覚えてる?」






うん、覚えてる。



圭ちゃんのこと、男の子だって


気づいたから


考えれば考えるほど


ドキドキして


それでも好きだって気づいて、


だから、私…ーー








「…は…ーて…ーっ…ら…」




でも、苦しくて言葉がうまく出てこない。



「ごめん、唯もう一回」




いいの。


いいんだ、圭ちゃん。


だから、ギュッて抱きしめて。




少し腕を上げると、



「抱きしめる?」と聞いてくれる。





こくりと頷くと、優しく抱きしめてくれた。