「抱きしめる?」 俺の言葉に、唯がこくりと頷いたので 俺はそのまま唯の華奢な上半身を抱き上げた。 小さくて、細くて、儚げで、柔らかくて こんなにも可愛い唯は いつか違う男のところにいってしまう。 ずっと、このままでいればいいのに。 俺だけに甘えて、俺だけに抱きしめられてたらいいのに。 幼馴染が重い。幼馴染じゃなければよかった。 今さっき出会ったばかりの他人で 今恋に落ちたばかりの恋人ならいいのに。 出会ってからの、生まれてからの、 17年の歳月が俺たちの邪魔をする。