「圭ちゃ………___




「海崎くん!!」




私がグランドまでおりて、体操着姿の圭ちゃんに声をかけようとすると



別の女の子の声でそれは妨げられた。





誰だろ、あの子……




少し茶色い髪をお団子にして


耳にはかわいいピアスをしてる。




…可愛いなぁ、唯もあんななりたい…




「何?」



圭ちゃんがその子に顔を向けて、「那月だ、どうしたの」と声をかける。




な…つき…


圭ちゃん、私以外の女の子にも



したの名前で呼んだりするんだ…


…あ、あたりまえか、そんなの…


…………でもやだなぁ……





「告白…とか、されすぎて


今更私のとか聞く気にもならないかもだけど…


えっと…好きです…」




那月ちゃんは、苦笑いして「ごめんね、今更」と繰り返した。





「…別に、そんなこと思わないよ。

ありがとう。」




…圭ちゃんは、優しいなぁ…




「でもごめんね、彼女いるの」





…彼女…


…ふふっ、嬉しい…