「あー、そうだ」 私は立ち止まって、北野を振り返った。 「ん?」 「好きだよ、北野」 私が真顔でそう言うと、北野は一瞬びっくりしたような顔をして またへらっと笑う。 「うん、俺も好きだよ」 わかってる。 まだ少し、そう言う北野の声が戸惑い気味なことくらい。 まだ、そう言う北野の言葉の意味が、そうじゃないことくらい。 だから、いいんだよ。 そのうち強制的に私に恋させてやる。 「あ、チャイムなっちゃったじゃん! バイバイ!」 「ほいよ」 私は北野に背を向けて、2限目の教室にダッシュした。