唯は、もぞっと俺の腕の中で動いて
顔を出した。
そして、へらっといつもの無邪気な顔で笑って
「…そう思ってくれて、嬉しい…っ」
と言った。
…だー!
なんだよそれ。
変態とか言われて焦ったじゃん。
ていうか、なんでそんなに可愛いんだ?
「許してくれるの?」
「…何を?」
「俺が唯を、変態な目で見てたこと。」
俺が若干皮肉交えに言うと、唯はぎゅっと抱きついてきて
「唯のこと、好きって言ったら…
許してあげる…」
と、耳元で囁いた。
何これ!?何これ!?
いつも、兄妹で例えられてきた俺たちは
必然的に俺が兄で、唯が妹だった。
だから、唯はいつも甘えてくるばかりで
こんな風に少し意地悪な唯なんて見たことがなくて。


