ガチャ…







部屋のドアがしまって、俺は唯をベッドに座らせた。







唯が俺のことを好きだと知って





正直、このまま抱いてしまいたいのが本音。





でも先に言わなきゃダメだ。





唯が不安で泣きそうな顔をしてる。







何年も、片時も唯に悟られないようにしてきた思いを




寄り道までして、人を傷つけてさえ変わらなかった思いを。









「唯」








俺はベッドの前に膝まづいて、ベッドに腰掛ける唯を少し見上げて


唯の名前を呼ぶ。









物心ついた時から何度も呼んできた名前だけど、





今までで1番、愛しい響きに聞こえた。