「はーい、後夜祭始まるよー!」




圭ちゃんが口を開きかけた寸前に、


誰かの声が響いた。






「…こう、やさい、だって。圭ちゃん」





私がそう言うと、圭ちゃんは「行きたい?」と首を傾げた。





うーん…




「どっちでもいい…かなぁ…」




私がそう言うと、「じゃあ、帰ろ」と圭ちゃんは私の手を取った。





「か、帰るの…?」



「唯、帰りたくない?


なら、いよっか。」







「…ううん…圭ちゃんと、いれるなら




なんでもいい…」







そう言った私に、圭ちゃんは「うん」と笑って私の手を引いた。




帰るって…どこに…?



一緒にいられるんだよね…?



圭ちゃんの気持ち、聞けるんだよね…?







私は色んな疑問を抱きながら、


もう一度繋ぐことのできた手の温もりを感じて







嬉しくて1人で笑っちゃった。