「圭ちゃん!」




私は圭ちゃんから離れて

圭ちゃんの顔を見た。



「…うぅ…っ」



久しぶりに、ちゃんと見た気がする…



その顔は、綺麗で


かっこよくて


優しくて…


涙が出てきちゃった…



「…唯」




圭ちゃんが、指で私の涙を拭ってくれた。




…この前は、


見て見ぬ振りしたのに…



それが嬉しくて優しくて



私は「えへへ」と笑った。





「あのね、圭ちゃん…」



私が本題を切り出そうとすると…





「ちょっと、山崎ぃ!」




圭ちゃんの隣にいる山崎くんを呼ぶ声がして、




3人で振り返ると





「なんでそこにいるのよ!KY!」




と、相楽さんが山崎くんのネクタイを引っ張った。





「ごめんね!こいつアホだから!」






あ…


そういえば、幼馴染なんだっけ。



相楽さんと、山崎くん。




「じゃあね」





相楽さんは、山崎くんを引っ張ったまま


私ににこっと笑った。






それから圭ちゃんにも、…少し。