「…もうやだ…」





最悪だ…


舞台の上で泣いちゃうなんて、みんなに迷惑かけまくりだよ…




…お客さんだって、絶対変だって思ったに違いない…







「…唯…」





舞台袖の奥の方で、叶ちゃんが私の名前を呼んだ。





「…うっ…くっ…叶ちゃ…っ」







また涙が溢れ出して、叶ちゃんが私を抱きしめてくれた。






…圭ちゃんが、好きなの



好きなんだよ…




…それだけで、こんなに辛い。






抱きしめられたら辛い…



前は、ただ暖かくて幸せで





でも今は違うの…





だって、この暖かさは相楽さんにも?って




そう思っちゃうから…




…思えば思うほど、




抱きしめられたら抱きしめられるほど






ただ、辛くなるから…