『ウソを仰らないで』
何で、舞台の上で
こんな思いにならなきゃいけないんだろう…
こんなにも、ロミオとジュリエットと同じ境遇にありすぎて
苦しくて、悔しい。
なんで、私が
…相楽さんに負けた私が、
圭ちゃんの偽ものの、恋人役をしなきゃダメなのかな。
自分で決めたことなのに、演じているうちに
どんどん、どんどん辛くなって
『なん…で、抱きしめるの…』
気づけば、圭ちゃんの胸に抱きしめられていた。
台本に、こんなシーンないよ…圭ちゃん…
それでも、それが、私の涙を隠すためだって気づいたから…
「…好き…」
圭ちゃんの胸の中で、小さく聞こえないようにそう呟いた。


