小南 唯side>>
『お待ちください、ジュリエット』
圭ちゃんの、私が大好きなハスキーボイスが綺麗に体育館に響く。
『どうして?もう今や、私にできることなんてないもないのです』
そして、私の声が続いて静かな体育館内を支配した。
…はぁ。落ち着いて。
片時だって、気を抜いたらダメだ。
そしたら、こんなセリフ圭ちゃんに言われたらきっと
迷わず、抱きついてしまう。
劇が始まってだいぶ経った。
私はただ、相手を圭ちゃんだって意識しないことに精一杯で
何度かセリフが頭から飛んじゃったんだけど、
その度に圭ちゃんが耳元で、そっとフォローしてくれて
きゅんっ…て、しちゃう。
優しくて、優しくて、
本当に好きなのに…
『私の気持ちが、貴方にわかりますか?』
圭ちゃんには、わからない…
絶対に、わからない…


