あまり人通りの多くない廊下で、俺と10メートル以上も間をあけて制服姿の相楽が立っていた。
相楽の目は、ずいぶん泣きはらしたようで赤くなってる。
相楽は、ふるふると首を振った。
「…LINE、既読ついてた…。」
相楽が震える声で、そう言いながら俺を見た。
俺が頷くと、相楽は力なく小さく笑った。
「…好きだよ。大好き、海崎くんっ。
好きすぎて、おかしくなっちゃった。
だから、あんなことしたの。」
相楽は、うつむいて後ろめたそうにそう言った。
「でも、それも通り過ぎるくらいにまた好きになって、
そしたら、そんなことより海崎くんに幸せになってほしいって…
それが、1番の願いになったの」
相楽はまたこぼれ落ちたなみだを、袖できゅっと拭う。
俺が、相楽に近づこうとすると相楽は「来ないで!!」と大きな声で叫んだ。
「…また、好きになっちゃう…」
そう言って、相楽は一歩後ずさりしてニコッと笑った。
「演劇、見てるね。幸せになって、海崎くん。」
それだけ言い残すと、相楽はパタパタと走り去った。


