体育館に着くと、役者以外はまだ立ち入り禁止になっていて 叶ちゃんとはそこで別れた。 「小南さん、こっちこっち!」 舞台設営などを担当している演劇部の女子生徒が、私の名前を呼んで手招きした。 「はい、これ衣装ね。時間ないから、すぐに着替えてくれる?」 「あ、は…はいっ!」 白くてすべすべした光沢のあるドレスを手渡すと、その人は後ろのカーテンをグイッと引っ張って私の背中を軽く押した。 「着替え終わったら言ってね。」