「唯、本当に大丈夫?


あれだったら、私やるよ?ちょっとなら台本覚えてるし…」




「ううん、いいよ。ありがとう叶ちゃん。」



体育館へ移動しながら、叶ちゃんの心遣いに感謝しながらも首を振る。




「…そっか。



もし本当にダメだったら、演技中でもなんでもいいから


ピンチの目を向けてね、すぐフォローするから!」



「あははっ、ピンチの目って何?」


「ほら、あれじゃん。

唯がよく授業中に当てられたとき、私に向けてくる視線。

唯あれ得意でしょ。」



「と、得意とかじゃないもん…っ!


本当にわからないんだもん!」



「はいはい、とりあえずそういうこと。


深く考えすぎずに台本読みなよ。」




そういって叶ちゃんは、ポンポンと背中を叩いてくれた。