「…っ…」 涙がでてきて、肩が震える。 やめてよ… 助けて、圭ちゃん…っ パッ… 突然手が離れて、ホッと息を吐きながら振り向くと 「いい年して痴漢してんじゃねーよ、おっさん」 北野くんが、私から目を逸らす、嫌な感じの男の人の腕をねじ伏せていた。 「…北野くん…っ!」 北野くんは不機嫌そうな目で私を睨むと、電車が到着するやいなや 駅員さんに思いっきりその男の人を押し付けた。 「勝手に、小南に、触るな」 見たこともないような形相で、男の人を睨みつけた北野くんはそのままパッと私の方を見た。