悪くないよ、悪くない



それなのに、俺は

何も悪くない
ただのクラスメートなのに、俺は





チュ

「…ん…海崎くん…」




傷つくのは俺だ。


相楽だ。


俺とキスした、ただの普通の女子だ。




少しは唯も傷ついたの?



俺のために泣いたの?



叶わない


ねぇ、幼馴染なら



「…海崎…くんっ…悲しいよね、悲しいよね…っ」




傷つける。抉る、戻れないくらい。


取り返しがつかないくらい、相楽に傷をつけるつもりだろうか。俺は。




「唯ちゃん、が…好きなんでしょう?」



息も絶え絶えにそう言って、泣く相楽に


夢中になってキスする俺を



相楽はどんなに嘆いているだろう。




ねぇ唯、唯




「…っ…我慢してたんでしょう?」





何度、あの可愛い唯に理性が壊れたと思う?





「苦しかったんでしょう?」





無邪気に笑う唯に、そうやって理性を保てない自分を何度、悔いたと思う?




「もう、疲れたんでしょう?」




伝わらなくて、伝えられなくて


それでも純粋な唯とそばにいて

そんな俺を、何度泣いたと思う?




「ねぇ全部、私にちょうだい。


唯ちゃんが…っ、好きなんでしょう?

私が全部わかってあげるから…っ」