「やっぱり、気づいたの?」






北野くんにそう聞かれて、「何に?」と質問返しする。






「あの時、海崎は幼馴染だけど男だって俺が言って、

小南は何度も混乱したように”圭ちゃんは男の子”とか呟いてたでしょ。






それで、恋だって気づいたの?」






「…うん、気づいたよ。


私は圭ちゃんが好きだよ。


幼馴染としてじゃなくて…」





「焦ってたよ」




私が続きを言う前に、北野くんが呟いた。




「焦ってた。小南が海崎への気持ちに気づくのも時間の問題だと思ってたし


でもやっぱり告えなくて、だけど好きだったから


結局、小南は海崎に気持ちとられたし


もう手遅れかもしれないけど…」





さっきの、私の質問への答えだ。



私が、「好きってわかってもらえないときどんな気持ちだった?」って聞いた、その質問の。




北野くんはそこまで言うと、ふっと笑った。


いつもみたいに、バカにしてるような笑みじゃなくて


少しだけ、かっこよくみえた。



よくみたら、整ってるんだなぁ、なんて。




「はやく告わなきゃ、誰かにとられちゃうよ」