パタパタパタッ…



校舎まで走って、廊下を走って


いくつも教室を過ぎて、それでも走った。



私の好きは、幼馴染の好きじゃないもん。



どうしてわかってくれないの?


どうして聞いてくれないの?




幼馴染は、もうつらいね。



だって圭ちゃんはわかってくれない。




ドンッ…



「きゃっ、すいません…」




「あ、小南」




「き、北野くん!?」




夢中になって廊下を走っていると、誰かにぶつかって


顔を上げると、北野くんで。






「…えっと…」





北野くんとは、保健室で倒れて以来話してないんだった…



なに、言ったらいいんだろう…






「泣いてるよ、海崎のこと?」




「…っ、うん…」





北野くんは、私のこと好きって言ってた…


ずっと、前から…



「…北野くん、は…」




「ん?」





いつもみたいにからかったり、意地悪いったりしない。


普通に返事してくれて、



私の話を聞いてくれて嬉しい。



圭ちゃんは、聞いてくれないもん。