「唯、元気ないね。どうしたの?」 圭ちゃんが顔を覗いてくる。 「な…なんでもない…っ」 バッと手で顔を隠した。 悟られないように、気づかれないように。 でもほんの少し、悟ってほしいな、気づいてほしいな、って 思ってみたり、しながら。 「そっか」 圭ちゃんは、ぽんぽんと私の頭を撫でてから また私の手を引いて歩き出す。 あぁ、消えないで。 この時。 やっぱり、私の恋心は伝えたらダメなのかな… 恋愛対象にしてほしいなんて思っちゃ、ダメかな… 圭ちゃんにこのままでいてほしいなら。