笑いながら棗を責め立てる男、汐弥が棗の兄だと知ったのは、事が起こってから2日後のことだった。
つまり、俺たちが棗を本家の姫だってことを知ったのもその時。
どうして言わなかったとか、色々疑問を棗にぶつけようとした。
でも、棗は会長と女将にずっと泣きながら謝り続けていて、何も食べることもしないで、動かない会長や女将から離れなかった。そんな棗に何も言えず、泣いている棗を守らなくちゃと思った。
だからずっとそばにいて、何があっても離れたりしないと約束というか、誓った。