「ん……」
目を開けると、いきなり手が視界に広がっていた。
お母さんの手を思い出し、反射的にその手を払って、距離を置こうとする。
だけど、手は払えたが、体が思うように動かない。
頭痛もひどく、眉をしかめるほど。
手を伸ばしてきたほうを向き、思い切り睨みつける。
そこには、綺麗な女の人が驚きの表情で固まっていた。
「よかった、目が覚めたのね」